好きな事、好きなだけ Vol.03「インタビュー:岡田陽介さん」

好きな事、好きなだけ Vol.03「インタビュー:岡田陽介さん」

OTHERINTERVIEW

Profile:岡田陽介さん

「珈琲と本と音楽 半空」店主。1981年8月7日生まれ。
珈琲と本と音楽 半空:香川県高松市瓦町1丁目10−18(創業は2002年1月)
http://nakazora.jp

日中でも薄暗く雰囲気のある見落としがちな入り口の階段を登れば、そこには比較的重目のドアが待ち構えている。そのドアを開けると香る、コーヒーの香り。ちょっと肌寒くなってきたこの季節に堪らない暖かさの店内。
冬になるとうっすらと香る灯油の香りもまた良いんだよなぁ。店主の岡田君がいつものようにカウンター越しに柔らかく話しかけてくる。

「いらっしゃいませ」

そう、此処は「半空」昼でも夜でも何も変わらぬ優しくて暖かい明るさの店内は小説に囲まれていて、あらゆる、コーヒー、紅茶、アルコール、デザートなどが頂ける。
特に僕は此処の【オリジナルカクテル】が好きだ、各々の著者が【好き】なカクテルを再現しているのが面白くて美味しいのだ。

太田:なんか改まると緊張するな…今日はよろしくお願いします。
岡田:よろしくお願いします。

太田:あなたにとって仕事とはなんですか?
岡田:自分が生きていくのに欠かせないものです。

太田:今の仕事は好きですか?
岡田:仕事自体を愛してます。

太田:今の仕事との出会いを教えてください。
岡田:自分が体験したことを他の人たちにも体験してもらいたくて店をはじめました。

自身が体験した事とは、若い頃に行っていたジャズ喫茶店などで、色々な人と出会えた事、学校、バイト、家族以外の人と知り合えるので、そんな出会いの場をと思い、また他の方々もそんな場所を提供したいという思いからだと話してくれた。

太田:今の仕事をしていて一番嬉しかった事はなんですか?
岡田:たくさんの人や出来事に遭遇したことです。

僕も岡田君からその経験談は聞いた事があるが、なかなか面白い話なので是非、直接足運んで聴いて見てほしい。

太田:今の仕事で一番辛かったこと、または悔しかった事はなんですか?
岡田:自分の未熟さゆえに人に支えられてきたことや支えられていることを見落としてしまっていることです。

太田:これからもこの仕事を続けていきたいと思いますか?
岡田:はい。

太田:あなたが大切にしている事や人がいらっしゃったら教えてください。
岡田:家族をはじめ、まわりの人や出来事に勉強させていただき今があります。何ひとつ欠けても今の自分はありません。

太田:自分たちより年齢が下の人達に仕事について伝えたい事があれればどうぞ。
岡田:自分より若い人たちから学びたいことが沢山あります。教えてもらえるような人になるために尽力していきます。
新しい事…新しいものに常にに興味があり、20代の子に悩みや相談をする事があり、目上の方とは違うご意見を頂けるし、また自分の持ってるもの技術、情報、飯などを提供できたりすることがあれば嬉しいかなという感覚です。周りの方々に助けてもらい、自分でできることは返してあげたいと思う気持ちです。

太田:今日はありがとうございました。

僕が初めて彼に会ったのは移住したての5年前の深夜、何やら楽しそうな店があると思い足を運んだ。
そこに見た目こそ同世代かな?と思えるようなんだけど、何処かあどけない彼がコーヒーを淹れたりお客様とお話をしている姿があった。
気になった人はとことん掘り下げたくなる性格なのできっと根掘り葉掘り質問をしてしまったのを覚えている、パッと見はとても厳格そうな雰囲気を出していてるが、話始めるととても気さくで笑顔の素敵な彼が作るカクテルとデザート、淹れるオリジナルブレンドのコーヒーはどれをとってもおいしくて、全てに【好き】が感じ取れた。深夜なのにほとんど満席だったのを覚えている。
文末にある通り、若い子達、新しい事への関心と小説という古き良きものを両方共に惹かれるとても柔軟で物腰の柔らか彼の佇まいがより一層この店の雰囲気を加速させていた。

Writer's Profile

Text:太田幸弘(insta
香川県高松市西町でカスタム自転車屋を営む。好きな物、好きな事、好きな人との仕事について語ったインタビューなどをお届けします。
http://www.cakebikes.com/